2023年プロ野球日本シリーズ

還暦爺さんの世迷言

2023年11月7日、阪神タイガースのプロ野球日本シリーズ制覇を以って2023年プロ野球公式戦の日程が終了いたしました。既にプロアマを問わず多数の識者が解説していらっしゃますので、詳細はそちらにお任せして、私は個人的に面白いと思った点についてタイガース目線で書き散らかします。

やるか、やらかすか

ここ何年か指摘され続けてきたタイガースの守備について、2023年シーズンの失策数85は昨年に引き続きリーグ最多(リーグ最少は巨人の54、オリックスは60でリーグ2位の少なさ)となっています。因みに昨年は86なので、今年は一つ減っただけなのですが、詳細はともかくやらかしたタイミングが致命的でなかった、もしくはやらかしたがリカバーできた、という点が今年のAREにつながったと考えるべきでしょう。特に中野の守備には何度助けられたことか。少なくとも2022年10月14日(鉄道150年記念日)の対ヤクルト戦(CS)7回裏(3対0)、二死満塁からのマルテと浜地の2つの失策からの逆転負けのような悲惨な光景はなかったように記憶しています。(わたしはかつてあのような悲惨な光景を見たことが無い・・・)

タイガースのやらかしは想定内

とは言え、シーズンのリーグ最多失策は事実でありまして、シリーズ中もそれなりにやらかすのは仕方ないことと思いながらのTV観戦でした。大きく目を引いたのは第三戦甲子園球場5回表:連打と内野ゴロによる1失点の後、一死ランナー1塁から9番東(投手)の打球処理を投手伊藤がセカンドへ悪送球(おそらく併殺狙い)、これが失点につながったこと、第五戦甲子園球場7回表:二死ランナー1塁から3番森の打球を中野が後逸、カバーに入った森下がボールを握り損なって1塁ランナーを生還させてしまったこと、の二つ(実際は三つ)の失策でした。
但し、第三戦は最終回にあわよくば同点、逆転を狙えるところまで攻撃できましたし、第四/第五戦はオリックスもまたやらかして思わぬ結果を招いたのです。

オリックスだってやらかした

第四戦は接戦でしたがオリックスのワゲスパックが一死後、四球+ワイルドピッチx2とやらかしまくった後、申告敬遠x2の後に大山のサヨナラヒットでタイガースの勝利。失策数リーグ2位でもやらかす時はやらかすという典型例だったと思います。
それを受けての第五戦甲子園球場でしたが、まずタイガースがやらかしてリードを拡げられた後、8回裏に異変が起きました。

もしセカンドがゴンザレスのままだったら
虎バンチャンネルより

8番木浪の打球はセカンドへの高いバウンドのゴロ、記録は内野安打ですが二塁手安達が悪送球に加えてこのボールがカメラマン席に飛び込みテークワンベース。無死ランナー二塁となってしまいました。

高校生もやらかした

甲子園+悪送球+テークワンベース→失点、で思い出されるのが2015年8月17日夏の甲子園準々決勝第二試合 東海大相模vs花咲徳栄戦9回裏です。

先頭の東海大相模・小笠原選手が失策で出塁の後、次打者・千野選手の打球は三塁ゴロ。1塁ランナー2塁封殺までは良かったのですが併殺を狙った1塁への転送が逸れて、結局送りバントと同じ結果となりランナー2塁。次打者の宮地選手は3塁ゴロに倒れるも、この日二安打の杉崎選手に三本目の安打(二塁打)を打たれて東海大相模のサヨナラ勝ちとなったのです。

この試合、花咲徳栄は1点リードで8回を迎えましたが、8回表の攻撃でチャンスを逃し、その裏の守備で髙橋投手がボークをやらかして余分な進塁を許した後に犠牲フライで同点とされ、7回まで良かった流れを手放してしまったという経緯がります。得点のチャンスを逃したこともやらかしたということになるのかもしれません。

どういうわけか

やらかしてランナーを2塁まで進めてしまった後、次打者の代打糸原の打球は良くないにもかかわらずどういうわけか三塁手と左翼手の間にポトリ。その次の近本は数字どおり(高得点圏打率)の結果を出してライト前ヒットでまず1点。ここで7回にやらかした中野、森下が続きます。中野はきっちり送って一死ランナー2,3塁。そして森下の時、やらかしたというにはあまりにも厳しい結末が待っていたのです。

キャッチャーの構えは高め、
ボールは低め
虎バンチャンネルより

2ボール/2ストライクからの7球目、決して悪いボールでは無かったのですが捕手の要求である高めではなく低めの見逃せばボールではないかというコースのストレート。森下はこれを弾き返して三塁打。コントロールミスと言えばそれまでですが打たれた宇田川投手は甲子園で三連投でしたのでやらかしたは言い過ぎかもしれないです。
後はズルズルと結局木浪のこの回二度目の打席(二塁ゴロ)でチェンジとなるまでに6失点してしまいタイガース勝利となりました。

宮城投手も

第六戦は山本由伸、意地の完投勝利でシリーズの決着は第七戦に持ち込まれたのですが、その第七戦4回表に異変が起きます。二番中野は外野フライに倒れますが、森下ヒット、大山死球によりランナー1,2塁。打者はノイジーで1ボール/2ストライクからの4球目。低めのチェンジアップを上手く拾ってホームランとなりそれはそれでよかったのですが、どうも打ち方がおかしい。素人には理解できなかったのですが江川卓氏が動画配信たかされ 16:17あたりからにてノイジーは右方向のバッティング(ワダサンスタイル?)を狙っていて、宮城は外角のチェンジアップで二塁ゴロ併殺を狙っていたのではないか?とのことでした。

握りは確かにチェンジアップ
NPB公式チャンネルより
キャッチャーの構えは外角、ボールは内角
NPB公式チャンネルより

右方向を狙って打ちにいったところに外角を狙ったはずの緩いチェンジアップが内角に入って来て、合わせにいったらスタンドに届いたという説です。合わせると言っても外国人のパワーですからジャストミートすれば飛んでいきますよね、と言ったところですかね。球種がチェンジアップということであれば、やらかしたというより運が悪かったということでしょう。

タイガース利権

第五戦後の休養日にヤボ用で兵庫県三田市に滞在していました。夜8時ごろ何気なくサンTVにチャンネルを合わせたところ、渡辺謙さんが映っているじゃあーりませんか。謙さんが熱狂的なタイガースファンであることは多くの方の知るところではありますが、天下御免のハリウッド俳優が番宣も映画の告知も無しにTV出演などするはずがない、という思い込みで視聴していたのであります。しかしTVに映っていたのは最後の最後までハリウッドの俳優ではなく、熱狂的な男前のタイガースファンだったのです。第一戦から第五戦までの試合内容と第六戦以後の展望について熱く語る謙さんを眺めながらタイガースについて語るためだけにハリウッド俳優を出演させるサンTVが持つタイガース利権の闇の深さに畏れ入った次第であります。

第四戦最終回サヨナラ勝ちの場面、
大山の背中に炎を見たと力説する謙さん。
サンTV 熱血!タイガース党より

青柳投手

第七戦勝利の要因の一つに先発青柳投手の踏ん張りも欠かせません。正直申しましてちょっとしんどいかもしれないと考えたりもしましたが、5回二死まで無得点で凌いでくれました。第七戦開始までの両チームの総得点が双方共23点づつ(23-23)でありまして青柳投手としても先に点は取られたくなかったはずです。青柳投手に感謝です。23-23を深読みする輩が居るようでありますがそういう不謹慎は許されないのであります。また今年のシリーズ制覇を以って33-4の呪縛から解放されたと断言します。

優勝のインターバルは短く

タイガースのリーグ優勝は18年ぶり、この間巨人8回、広島とヤクルトと中日が3回ずつリーグ優勝を果たしており、シリーズ制覇に至っては38年ぶりということで、この間ソフトバンク(ダイエー)9回、西武8回、巨人6回、ヤクルト5回、オリックスとロッテと日ハムが2回ずつ、横浜と中日と楽天が各1回ずつシリーズ制覇を達成しており最近シリーズご無沙汰の西武や巨人でもけっこうな回数でシリーズ制覇を達成しているところからも38年の長さを思い知るわけであります。いずれにしても渡辺謙さんがサンTVのスタジオ生放送に出演するくらいレアなイベントであったという事で、今回の日本シリーズは非常に面白かったです。しかし可能であれば謙さんのサンTV出演はいらないので、6年に一度のリーグ優勝と12年に一度のシリーズ制覇をお願いしたいところでありますが、さて。

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