本年、令和4年は鉄道開業150周年の節目の年であります。明治5年(1872年)10月14日開業でありまして100年後の昭和47年10月15日の日曜日であったと記憶しておりますが、私は父親に連れられて東横浜駅(桜木町駅に隣接)に到着した鉄道100年記念列車のC57・7号機を見たのであります。生憎、写真は紛失してしまったのでありますが鉄道とは趣味として50年以上の付き合いとなりました。また、近年少額ではありますが某鉄道会社の株を保有しておりますので、付き合いの長さと投資金額の分だけでも何か書き散らかしたいと思い立った次第であります。
人が減る
鉄道業界(に限りませんが)が直面している最大の問題は利用客=人の減少でありまして、経営環境の厳しさと直結しております。そして、この問題は将来にわたり続くことが既に明らかになっております。(趣味で投資しましたが、何か。?)
国土交通省:国土審議会:「国土の長期展望」中間とりまとめ によると、日本の人口は1868年明治維新付近(鉄道はこの4年後に開業)以来2004年までの136年間で3.84倍に膨れ上がりピークを迎え、その後は類似のペースで減少すると予想されております。注意:2011年(平成23年)の資料です。
一方、欧州と言う乱暴な括りになりますが1700年あたりから産業革命を経て2000年までの300年で6.44倍に膨れ上がり、その後減少に転じております。
更に、2022年4月15日読売新聞(オンライン)にて2020年と2021年の人口減少が従来とは比較にならないほど激しいことがニュースとなりました。この傾向が続くのか?、また国土審議会は人口減少の度合いが激しくなることを想定しているのかが疑問であります。既にいくつかの有志医師の会が政府に対して調査を請願したようでありますが、まずは来年に判明する今年の人口減少数の結果を待ちたいところであります。事が事なので四半期毎に数字を見たいものでありますし、当の鉄道事業者がどれほどのスピードで人口減少が進むと想定しているのかを株主総会で質問してみたいところでもあります。(6月22日、株主総会に参加しましたが挙手するも指名されず質問できませんでした。)
「せっかく減った人口です。これ以上増やさずに優良な人種だけを残す、それ以外に人類の永遠の平和は望めません。そして、その為にはXX家独裁による人類のコントロールしかありません。」
まさかこんなこと言う人は現実にいないよねぇ。あんまり調子ぶっこくと「意外と△▲も甘いようで…」なんて身内に撃たれちゃうぞぉ。
斉藤国土交通大臣
2021年10月21日付け乗りものニュースの取材において、「ローカル線を維持活性化するためには、地域住民と鉄道事業者が一体となって、どう盛り立てていくかを考えないといけない。そういう維持していこうという努力と熱意、それと国の支援が三位一体となって鉄道は維持されるものと思っています。」「好きとか愛とかというのは、だいたい説明のつかないものです。…中略・・・そのレールを見ていると、その先に都会があって未来がある。そういうあこがれ的な気持ちを抱いたことが、鉄道愛のきっかけだと思います。」と仰せでした。それを受けるように「鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会」が始まったのであります。
就任当時に話題となっておりましたが大臣御本人は旧三江線口羽駅から県道7号線を出羽川沿いに少し遡ったところにある小学校のご出身だそうで、ローカル線に対する思い入れなり具体的なイメージは他の大臣よりお持ちであると思われます。尤も中学校は広島市内の中学校を御卒業されたようで、地元には早々に見切りを付けたようでありますね。
沿線自治体と話し合う前に・・・
利用客が少ない、利益が無い、誰も困らない、よって廃線と言うのは簡単であります。しかし永年存在しているシステムの不備・欠点を探し出すのは比較的簡単でありますが、利点を捜し出すのは困難なのでありまして、このことは失敗小僧先生が動画配信の7:03あたりから、特に9:55から11:00までの部分で解説されていらっしゃいます。また、司馬遼太郎先生は「翔ぶが如く」において大久保利通公に関する以下の文章を記されております。
“大衆は政治についてこのような生真面目な明晰者を好まないという恐るべき性格を持っている。大衆は明晰よりも温情を愛し、拒否よりも陽気で放漫な大きさを好み、正論よりも悲壮に憧れる。更に大衆というものの厄介さは明晰と拒否と正論をやがては悪として見るという事にあり、この大衆の中からいずれは一個の異常者が出現し匕首を握るかもしれない。”
正論のみを以って強引に話を進めると血を見る事態に陥ることが世の常でありまして、これだけは回避していただきたいと思うと共に、赤字ローカル線沿線自治体におかれましては、鉄道の存在理由、存在価値を予めまとめておいていただきたいのであります。
特に沿線自治体及び鉄道事業者の双方におかれては鉄道単体はユニバーサルサービスでは無いこと、バスやタクシーを含めた総合的な移動手段=公共交通がユニバーサルサービスであることの周知徹底を株主として伏してお願いしたいのであります。ユニバーサルサービスについては、鐡坊主先生が動画配信にて解説されているとおりであります。
結局、株主としては・・・
急激に下がった株価をせめて8割程度まで戻してしていただき、可能であれば利用客が見込めない路線の整理をお願いしたいところでありますが、混乱を招く急激な改革もまた回避していただきたいというのも本音であります。只見線の一部(会津川口~只見)上下分離方式を受け入れた福島県の英断には敬意を表すと共にこの事例を複数ある存廃の判断基準の一つにしていただきたいと、まぁド素人爺さんの戯言であります。
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