よろしければ “タイ国鉄を乗りつぶした話” からどうぞ。
バンコク周辺の乗りつぶしからスタートしてそれなりの経験値を積み重ねてゆくと、ほんの少しの図々しさも身に付いて通常では乗りにくい路線やバンコクから遠く離れた路線をもターゲットになったのであります。
1日1往復路線(สุพรรณบุรี/มาลัยแมน、สวรรคโลก、คีรีรัฐนิคม)
貨物列車無し、旅客列車1日1往復のみの運転となると日本ではおそらく廃線対象となるはずですが、何故かタイ国鉄では3つほど残っております。
バンコクに一番近いスパンブリ-往復の列車は南線(マレー国境方面)のナコンパトムとノンプラドックの間で北方向へ分岐してスパンブリに至る路線で南線の枝線の扱いでしょうか。厳密に言うとスパンブリーは終点ではなく、その1㎞ほど先のマライメン通りに突き当たったマライメン=มาลัยแมน が終点となっております。
この路線は朝スパンブリ=สุพรรณบุรี 4:30発→バンコク6:55着、バンコク16:40発→スパンブリ18:55着 の運用で明るいうちに全線乗り通すことができません。
私は前日バスでスパンブリ入りし、ホテル宿泊で翌日早朝スパンブリを出発するスケジュールを選択し、実行しました。乗ってしまえばタイのごくありふれた地方路線でして特筆すべきことはありません。(タイのローカル線全てに当てはまりますが。)
印象に残ったのは早朝4時前にホテルをチェックアウトする際、フロント周辺がバルサンだかなんだかの殺虫剤で煙がもうもうとしていて逃げ出すように出発したことと窓口が無人で列車内で購入したバンコクまでの切符が切符でなかった(乗車料金32THB徴収済みの証明券でしかも汎用タイプ)ことくらいです。尚バンコクとスパンブリの移動はバス利用が一般的のようです。
付け加えると、列車はスパンブリーから一旦マライメンに向かい、マライメンで折り返してから改めてスパンブリーに停車してバンコクに向かいました。わたしもスパンブリからマライメン折り返しの列車でバンコクに戻ったのであります。


というか、支払い証明書と呼ぶべきか。
サワンカローク線は北線(チェンマイ方面)の枝線でバーンダーラーから分岐してサワンカローク駅=สถานีสวรรคโลก (スコータイ空港から30㎞程度北上した場所)に至る路線です。
但し、ここの運用が少し変わっておりましてバンコクからシーラアー(ウッタラディット)行きの特急列車が寄り道する運用となっていて、シーラアーからバンコクに戻る列車はサワンカロークを通りません。因みに私が乗った時はバンコク発の特急列車が単純にサワンカロークを往復する運用でした。

運用変更前でも後でも夕方から夜にかけての1往復運用は変わらずで、どんな需要があるのかわかりませんが、2021年6月現在タイ国鉄のホームページ検索では該当する列車がでてきません。コロナ騒動明けにもう一度検索をかけてみるつもりです。(一応時刻表には記載有り。)

タイ国鉄をひととおり乗ってみて一番乗りにくかったのが、南線の枝線でスラータニ(サムイ島最寄り駅)からキーリラッタニコム=คีรีรัฐนิคม (サムイ島とは逆方向の山側に30㎞弱入ったところ)に至る路線ですが、ここも1回やりなおしております。早朝スラータニー着、夕方スラータニー発の運用であります。
時刻表でなく駅構内の出発/到着時刻表を頼りに、早朝スラータニー駅前のタクシーでキーリラッタニコム駅に行きの列車でスラータニーへ戻ろうと考えたのですが、駅構内の時刻表の記載が間違っていてキーリラッタニコムに着いた時は既に列車は出発済み。

手段を考えねばならなかったのです。
タクシーも既に戻ってしまい誰もいない駅に私ただ一人残され、さてどうしようとなったわけでありますが、まずはスラータニーに戻らなければなりません。近くの集落へ行っても早朝なので人けは無かったのでありますが、偶然目に付いたバイク屋から人が出てきたので声をかけたところ少し英語がわかるとのことで、スラータニーへ向かうバスもタクシーは無いことと近くにバイタク(バイクのタンデムに客を乗せるタクシーのバイク版と考えていただければよろしいかと)があると教えていただきました。
また、必要なら電話で呼びましょうかと申し出ていただいたので、是非もなくお願いしてとりあえずスラータニーへ戻ることができました。スケジュールの都合で今回は諦めました。
日を改めてスラータニーを再訪した私は前回の問題を踏まえてスラータニーから列車に乗り、キーリラッタニコムまでタクシーに迎えに来てもらう手段を講じました。
まずキーリラッタニコム行きの切符を購入し、駅前のタクシー運転手にそれ(列車のキーリラッタニコム到着時刻も記載済み)を見せて、迎えに来てほしいと依頼すると前払いならOKとの返事でしたのでこちらも言い値でOK、その場で現金を払って列車に乗り無事目的を達成したのでした。
驚いたのが、こちらの要求をタクシー運転手が即理解したことです。日本で似たようなことを実行するにしてもおそらく多少の説明を要するはずですが、私が「キーリラッタニコム」と切符を見せながら発しただけで、「KHIRI RATTHANIKHOM, Pick Up You ?」と返してきたのです。

万一現金を持ち逃げされても、こちらは戻る方法も被害は現金のみで済まされることもわかっていたので気楽にことが進みました。おそらく同じことをやった日本人が居るんでしょうねぇ。こういうマニアックな行動をとるのは日本人くらいでしょう。(イグノーベル賞の受賞がやたら多いのもこのせいか)
いずれの線も二度目はないと思われます。 よろしければ “タイ国鉄の国境越え” もどうぞ。


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