乗車困難区間として扱っても良いのですが、国境越えとなると事情が少し異なりますので別記事としました。よろしければ “タイ国鉄乗車困難区間” からどうぞ。
タイ⇔ラオス国境(ノンカイ=หนองคาย⇔タナレン=ດົງໂພສີ)
現在のノンカイ駅はタイ国鉄がタイ・ラオス友好橋(オーストラリア支援により建造)経由でタナレン(ラオス)に乗り入れるためのルート確保のため、従来の位置から西方5㎞ほどの位置にあります。旧駅は放置されていたようですが現在の状態はわかりません。ルート変更の切り替え地点も今の状態はわかりません。


列車は2両編成のローカル仕立てのディーゼルカーで私が乗車した時は乗車率100%近かったと思われます。(私は座れませんでした。)発車後、ゴロゴロとタイ・ラオス友好橋の併用軌道を走って15分ほどで列車はタナレン着。尚、使用車両も変更されたそうですが一度見てみたいですね。ノンカイも良い街だったし、1回くらいビエンチャンにも行ってみたいですから。

ノンカイ駅でタイの出国手続きを行った私はタナレン駅でラオス入国手続き→戻りの切符購入→ラオス出国手続きを踏んで戻りの列車に乗るつもりでしたがここで問題が発生しました。イミグレーションが見当たらないのです。ノンカイからの乗客は私以外全ての人が顔写真入りの定期券のようなものを駅員に見せて次々と改札を出て行ったのです(地元民用の措置ですね)。
私は他の全ての乗客が改札を出るのを待って駅員に声をかけました(なにしろ外国人は私一人)。とは言え最初から会話は放棄して、”地球の歩き方”の入国カードのページと自分のパスポートを見せて「Immigration, Stamp please !」と言ったところこちらの意図は理解したようで、何かを言い残して駅の詰め所へ入って行きました。(多分、ちょっと待ってね。の意味だと思いますが。)

待っているうちに戻りの列車は出発してしまい、駅員(兼イミグレ担当官)が詰所に引っ込んだ後に残されたのは、私とルアンパバーン(300㎞以上離れたところ)行き乗り合いタクシーの運転手。そんなもんに乗るわけにはいかない私は30分ほどかかって手続きを終え、徒歩でバス/車用のイミグレーションがある友好橋ラオス側を目指したのです。(もしかしたら、と思いタナレンから友好橋イミグレーションへの道順は調査済み。)
ものすごく暑いことを除けば、長閑な田舎を散歩するいい雰囲気でした。途中で地元の兄ちゃんに声をかけられ、「イミグレや売店でラオスキープが必要になるかもしれんが両替するかい。?」「うん、わかった。100バーツお願い。」兄ちゃん「ほい、XXXね。」私「ありがとさん。」以上の会話は英語で成立したのですが、この兄ちゃん名前はBENさんビエンチャンで英語教師をやっているそうでありますが、英会話全くダメダメの私でもわかるくらい訛りがひどい。彼の生徒は大丈夫だろうかといらん心配をした5月のラオスでした。(余ったラオスキープは持ち帰りましたが一枚だけレアもののお札が紛れているようないないような。)

その後はノンカイ行きバスに無事乗車しタイに戻りましたが、タナレンのロスタイムがちょいと響きまして、ウドンタニ空港(その日は飛行機でバンコクに戻るスケージュールだったのです。)行き乗り合いバスに間に合わず、タクシー探しのためノンカイ市内をドタバタ動いて非常に疲れました。
タイ⇔マレー国境(パダンベサール)
鉄条網(多分国境)付きのゲートをゆっくりと通過した列車が停車する駅がパダンベサール駅でマレーシアに位置します。タイ側に駅は無くマレーシアとの出入国手続きは全てパダンベサール駅構内で行われます。
私はバンコクからこの列車に乗りこみマレーシア入りしましたが、ここのマレーシア入国審査は所持品のバッグやスーツケースを開けられます。
私の前に並んでいた白人(話していた言葉から多分フランス人)のバックパックから枯草の束が出てきて別室へご案内されておりました。担当官に不信感を抱かせるものは持ち込まないように注意です。「李下に冠を正さず」です。
私が乗った列車は現在パダンベサール行きに変更されておりますが当時はペナン島(マレーシア)の対岸の街バタワースまで走っておりまして、バンコク出発時は15両くらいの超大編成ですがタイ南部のハジャイで大量に切り離されます。そして終点バタワースに到着するのは二等寝台2両のみとなります。
バンコク⇔バタワースはオリエンタルエキスプレスとルートが重なりますが、列車そのものはずいぶんと差がありまして、たまたまハジャイあたりですれ違いましたがその差に愕然としたことを思い出しました。(まぁ料金もそれなりの差がありますからねぇ。)

また、パダンベサールから先はマレーシアのローカル列車扱いとなり地元の人が当たり前のようにガンガン乗車してきまして出発時の堂々とした姿からは想像できないほどのみすぼらしさを以ってバタワースに到着しました。
私が乗った時は例によって遅れに遅れ、バタワース到着時刻が折り返し列車の出発時刻を過ぎておりました。社内清掃その他準備をドタバタとこなして逃げるように出発した光景を覚えております。

バタワース駅ホームには短すぎる国際列車でありますねぇ。
尚、帰りはペナン島から飛行機でバンコクに戻りました。
よろしければ “タイ国境の街” もどうぞ。


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