お久しぶりの木次線訪問1

還暦爺さんの旅ネタ

2021年10月中旬、存続が危ぶまれる木次線に乗車したのでありますがその発端は2年前に遡るのであります。
2019年10月上旬から中旬、2回に分けて姫新線と芸備線を乗りつぶしたのでありまして、その際に木次線・出雲坂根(スイッチバック部分)の訪問も企てていたのであります。
そして芸備線にて新見から三次への移動途中、出雲坂根に立ち寄るべく備後落合駅に降り立ったのが2019年10月10日木曜日14:30少し前のことでありました。

因縁の備後落合14:41発宍道行きは第二木曜がバスによる代行輸送

当初の目論見では14:41発の木次線にて出雲坂根に出向き、延命水でも入手して備後落合に戻りその後、三次に向かうというものでありました。しかし当日は第二木曜日で、14:41発の列車の運休日であることを備後落合駅の時刻表を見て思い出し、「やらかしてしまった。」と少し反省したのでありますが、すぐに切り替えて「是非に及ばず、年が明けてから出直すべ。」と思い直して三次へと向かったのであります。アレから丸二年過ぎてしまいました。

尚、木次線はマニアの方々に大変人気の路線でありますので、詳細な資料、学術的考察、それに伴う動画等はマニアの方々にお任せする次第であります。

山陰本線側から乗車

木次線訪問は二度目でありまして、初訪問は1986年1月2日に宍道から備後落合を通しで乗車したのであります。雪中の出雲坂根駅で停車時間中にホームにあった延命水を啜り、三井野原のスキー場に驚いた記憶が残っておりますねぇ。(西日本のスキー場の存在を知らなかったのであります。)

宍道駅 木次線時刻表

今回も初訪問時同様、山陰本線・宍道から乗車したのでありますが、途中の木次駅、出雲横田駅、備後落合折り返し後に出雲坂根駅で下車してそれぞれの駅前を見聞しながら全線乗り通したのであります。ただこちらの感性が劣化したみたいで、初訪問時のような感動はなかったのでありまして、それは全体の雰囲気が姫新線や芸備線の山間部に似ていること、2018年3月に廃止間際の三江線を訪問したこと、に起因するのではないかと思う次第であります。

木次駅

宍道9:09発の列車は木次止まりでありまして木次9:43着、乗り継ぎの10:08発出雲横田行き出発までの25分が木次駅の滞在時間でありました。

奥に見える青と白の車両がおろち号の車両 木次駅

駅構内には車両基地がありJR西日本が2023年度で運行を終了すると発表した”おろち号”の車両が留置されておりましたが、2023年度一杯は木次線の廃止は無い、と考えてよいのでしょうか。?

尚、二面あるホームの相互間移動が構内踏切利用のため、膝を痛めている人間としては非常に有り難いのであります。
木次と言えば木次乳業のパスチャライズ牛乳(黄色/白/赤の三色パッケージ)を時々飲んでおりましたが、最近居住地近郊では見かけなくなりましたねぇ。

木次駅 背後の小山がいい味出しています。

斐伊川を渡ると三刀屋高校(昭和53年夏の甲子園出場)を含む三刀屋の市街地を形成しているのですが、距離的に住民の皆様の木次線利用は厳しそうですね。木次と三刀屋を合わせると余所者の素人にはけっこうな規模の街に見えるのですが、道路も整備されているようなので鉄道の出番は限定的になってしまうのかもしれません。

出雲横田駅

乗り継ぎ列車は出雲横田11:16着、後続の13:13発備後落合行き出発までの2時間弱が出雲横田駅の滞在時間でありました。車両基地は無く、到着した列車は乗客下車後に普段使いされていない番線に移動/留置されます。

出雲横田が雲州そろばんの産地であることは、宮脇俊三先生の”最長片道切符の旅”により知ってはおりましたが、具体的な知識は全く無く、駅横にある雲州そろばん伝統産業会館の存在に気付くのが遅過ぎたため見学はできなかったのであります。(そろばんというと関羽雲長を思い出しますが、こちらは真偽不明らしいですね。)

注連縄の主張が激しい出雲横田駅

尚、こちらの駅は神社を模した駅舎も立派ですが、それに加えて駅舎入口上の大きな注連縄がインパクト大なのであります。木次線に御加護があると信じましょう。

出雲坂根から備後落合

出雲横田13:13発の備後落合行きは宍道から備後落合まで通しで運転される貴重な列車でありまして、まずはこの列車で備後落合まで乗り通したのであります。車窓から見える出雲坂根駅は前回とは全く異なった様相を呈していたのであります。駅舎が非常に洒落たデザインになっておりまして、列車本数の割には過ぎた扱いのように思えたのですが、”おろち号”を出迎えるためと考えれば納得できるデザインでありました。

小洒落た出雲坂根駅
三井野大橋(ループ部分は撮影失敗)

二度の進行方向逆転を経て高度を稼ぎ、前回見損ねた”眼下に出雲坂根駅を見下ろす風景”と前回は影も形も無かった国道314号線”奥出雲おろちループ橋”(1992年開通)の一部を見た後は三井野原でありまして、雪が無いスキー場を車窓から見るというのも、前回大勢のスキー客で賑わっていた風景を覚えている身としてはなんとも言えない気分になったのであります。

折り返し待ちの芸備線 (備後落合駅)
列車の集結具合の割には閑散とした備後落合駅前

備後落合14:33着、折り返しが因縁の14:41発 宍道行きでありまして、この時間帯は芸備線の新見方面14:27着・折り返し14:37発と三次方面14:21着・折り返し14:43発の発着も有り、三方向全てが好接続という貴重な時間帯なのであります。(但し、第二木曜日を除く)

出雲坂根駅とスイッチバック

宍道に向かう帰途、駅構内と周辺を見聞すべく出雲坂根にて下車したのでありますが、駅舎が洒落たデザインに変わっていただけでなく、前回訪問した時にはホームにあった延命水飲み場がホームの柵の外に移動していたのであります。その時は停車時間中に割と安易に延命水を啜ることができたのでありますが、今は駅舎を通らねばならず、ちと移動距離が長いので、停車時間によっては延命水を啜って乗ってきた列車に戻ることが非常に困難かもしれません。

昔は駅舎(改札口)を出なくてもありつけたのだが・・・

ホーム近くの飲み場の他に駅前の国道314号線を渡ったところにも延命水飲み場がありますし、国道314号線を八川方面に移動するともう少し規模の大きい延命水飲み場があるようなのですが、生憎の雨天でそこそこ寒いし、今のご時世衛生面で如何なものかと考え延命水を啜るのは止めたのであります。

天気が良ければ飲んだかも・・・

ところで、スイッチバック運転について、宮脇俊三先生の”最長片道切符の旅”には”折り返し点に停車すると、運転士は窓を開け、首を出して後方を見ながら逆行運転に入る。”との記述があるのですが、私が乗車した列車は方向が変わる都度運転士さんが運転席を移動し、関連機器の再起動を行っておりました。安全確保のためと思われますがいつ頃から変わったのでしょうか。?

出雲坂根駅 行き止まり側

箱根登山鉄道はわたしが小学生の頃から、スイッチバックの都度、運転士さんと車掌さんが役目はそのままで、場所を入れ替わっておりましたので、こちらが標準なのかもしれません。

“お久しぶりの木次線訪問2”に続きます。

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