続・株主がゆく

還暦爺さんの旅ネタ

過去記事(株主がゆく)にて少しだけ気仙沼線BRT視察について書き散らかしたのでありますが、先般気仙沼の先、盛までの大船渡線BRTを視察いたしましたので更に追加で書き散らかします。

残存区間は大赤字

山田線も大船渡線も線名由来の駅には無関係となってしまいました。
番号欄の数字はJR東日本ニュースの最終ページ参照

大船渡線の鉄道残存区間である一ノ関~気仙沼間はなかなかの赤字路線でありまして、2020年区間別赤字金額で堂々9位にランクインしています。(因みに営業係数は46位なので赤字ローカル線のニュースでは目立たないようです。)
今回は一ノ関から気仙沼までの鉄道残存区間も含めて大船渡線全線をなんとなく視察したのであります。

夏休み且つ昼下がりの便と言うこともあり乗客数は芳しくありません(2両編成、気仙沼で下車した乗客は15名程度)でしたが、PC枕木への入れ替えやバラストの交換、線路際の樹木の枝打ち(?)もきっちりされていて、全体的に手間と費用をかけて手入れしている印象が強かったです。一ノ関→気仙沼62kmを90分弱で走ったので、平均速度41.3km/h程度、なかなかのスピードではないでしょうか。?

ただ如何せん線形が悪い。原因は我田引鉄であることは有名ではありますが、この線形の悪さを解消する方法は無いのでありまして、東北本線から三陸沿岸地域に出るための交通手段としてはお役御免と言っても良いかもしれません。
一ノ関から気仙沼へ向かう路線バスは千厩を経由しますが、摺沢は経由しません。
この区間を鉄道より若干早い70-75分で走っていますので、路盤と車両スペック(主に加減速性能)の向上により、スピードはバスに勝てるかもしれませんが、たとえ勝ったとしても乗客数の大幅な向上は見込めそうにないのが現状です。

最終日(金曜日)に一日一本だけ設定されている大船渡往復便を陸前高田から一ノ関駅まで利用しましたが乗客は途中乗降を含めても15名程度でした。数字だけ見ればこの区間も鉄道である必要は無いように思われます。

BRT区間と鉄道廃止区間

赤い部分が従来の軌道をBRT専用道路に転用したところ
気仙沼線に比べると赤い部分が少ないです。

気仙沼線BRTは震災で大きな被害を受けた志津川(南三陸町)周辺と大谷周辺を除き、元々あった軌道をBRT専用道路に転用しましたが、大船渡線BRTの鹿折~陸前高田間は軌道を放棄して別ルートとしました。(陸前高田~小友間は被害が甚大であったためルート変更を余儀なくされたと考えます。)
この区間をBRT専用道路に転用したとしても飯森峠越えを含む山中の道路を維持するのは困難が予想されますし、それよりも国道45号線(一部バイパス)を利用する方が経費がかからないという判断があったのではないでしょうか。

尚、気仙沼~上鹿折間はミヤコーバスが名義だけBRTとして気仙沼駅前から上鹿折まで大船渡線BRT専用道路を一切し利用せず運行されています。(正式な運行区間は鹿折金山 ~田谷本郷・市営牧沢住宅・市立病院です。)
また、上鹿折~陸前矢作間は公共交通機関による直行は不可能となっています。

最終形態はわかりません。BRT専用にはならないような気がするが。

更に陸前矢作~陸前高田間は一部の軌道をBRT専用道路に転用していますが8月下旬現在、気仙川の鉄道橋を造りなおしている最中でしたので、軌道の利用部分が増えるかもしれません。否、現在の国道343号線廻館橋が徒歩や自転車で渡るには少し危険なので、徒歩/自転車スペースを追加した幅広の橋になるかもしれません。

特定区間適用の運賃

実運用上、上鹿折~陸前矢作間は途絶しましたが運賃計算上ではつながっている扱いのようです。気仙沼からタクシーを利用し陸前矢作までの鉄道の遺構を見聞したのでありますが、その後陸前矢作から陸前高田経由で気仙沼まで戻った際のBRT運賃が330円、翌日気仙沼から陸前高田までBRTを利用した際の運賃が510円でした。

県道から離れた位置にある橋台は放置、道路際にある橋台は崩落防止処置済み。

気仙沼から陸前高田までBRT運賃が510円、陸前高田で乗り換えて陸前矢作まで利用すると330円という逆転現象が起こるのでありまして青春18きっぷを利用していたらおそらく気付かなかったと思われます。
利用者は非常に少ないと思われますが、陸前高田を境に気仙沼方面と陸前矢作方面を乗り換え利用する際は以下の手順により運賃の支払いが行われますので付記します。(青春18きっぷ他フリー切符利用者は関係ありません。)

Google Map Google Earth 電動アシスト貸自転車

1990年代後半、日本中の廃線跡を辿ったのでありまして、今回もBRT視察と銘打ったものの、結局BRTルートから外れた部分の廃線跡を辿ることに重点が移ってしまったのであります。昔の癖がうっかり表面化したのも大きな理由ではありますが、最大の理由は90年代当時、私が所有していなかったノートPCとそれに付随するGoogle-Map/Google Earth及び電動アシスト自転車の存在であります。

上鹿折(正確には金山資料館)までは電動アシスト付き自転車で楽に移動可能。但しその先はアシストがあってもしんどかったのでギブアップ。気仙沼への帰途、浸水被害の表示発見。けっこう内陸なのだが。

1990年代後半、日本中の廃線跡を辿ったのでありまして、今回もBRT視察と銘打ったものの、結局BRTルートから外れた部分の廃線跡を辿ることに重点が移ってしまったのであります。昔の癖がうっかり表面化したのも大きな理由ではありますが、最大の理由は90年代当時、私が所有していなかったノートPCとそれに付随するGoogle-Map/Google Earth及び電動アシスト自転車の存在であります。
一路線あたり何枚もの国土地理院発行五万分の一地形図を買い込み、多くの廃線跡をカバーできる道県(鹿児島、福岡、北海道)については人文社の県別広域道路地図を購入し、用意した地図に廃線跡を書き写し、ルートが不明な場合は自分の想像妄想憶測で書き込み、事前準備は念入りに行なったつもりが、いざ現地に着いてみれば再開発等により事前の準備とは状況が大きく異なっていたり、単純に場所が特定できなかったりで出直したことも複数回有り、現地の移動もバス、タクシー、徒歩、ダッシュ等、要はけっこうな手間暇費用をかけ、天気等の運にも振り回されたのであります。

それが今回はGoogle-MapやGoogle Earthのおかげで地図を購入せずともルートは簡単に特定できるし、現地の貸し自転車情報やホテルの予約も天気予報を睨みながら出発前日にあっという間に確認/手配できてしまったのでありますから、隔世の感ありありなのであります。因みに今回の陸前高田~陸前矢作間を例にとれば、90年代であれば一日半から二日間かかることが予想されますが、電動アシスト自転車利用により半日で辿ることができました。しかも徒歩とタクシーを組み合わせても辿り付けないエリアも辿ることができたので文明の利器の有難味をただただ思い知ったのでありました。

盛駅

偶然出会った貨物列車と30年前の姿を留める旅客ホーム。
レールは素人目にもはっきりわかるくらいガッシリしたつくりでした。

大船渡線の終点は盛でありますが、その昔岩手開発鉄道乗車のために訪れたことがあります。同社の旅客営業は1992年3月31日を以って終了しておりますが旅客ホームはまだ当時と変わらぬ佇まいを見せておりました。
貨物輸送はその後の震災や不景気にも耐えて営業を続けておりますが盛駅ホームでBRTを待っている時にたまたまその貨物列車に遭遇いたしました。まぁ不意打ち状態でしたので写真の出来はお粗末なものですがこの日常がいつまでも続くことを願うばかりであります。

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